06年7-9月ベストアクト

<Best Play 0607-0609>

1 ゴキブリコンビナート / そよ風のささやき
2 蜻蛉玉 / ヘ音記号の果物
3 あひるなんちゃら / 地獄にて
4 噂の男(作:福島三郎 潤色・演出:ケラリーノサンドロヴィッチ)
5 シス・カンパニー(作・演出:青木豪) / 獏のゆりかご
6 少年王者舘 / I KILL−イキル−
7 中野成樹+フランケンズ / 暖かい氷河期
8 モダンスイマーズ / 赤木五兄弟
9 シベリア少女鉄道 / 残酷な神が支配する
10 椿組 / GS近松商店
11 ウィー・トーマス(作:M・マクドナー、演出:長塚圭史
12 マシュマロウェーブ / HOME
13 スロウライダー / Maggie
14 ペンギンプルペイルパイルズ / 道子の調査
15 宇宙堂 / 夢ノかたち(第一部)私の船
16 ゴキブリコンビナート / アンドロゲンレインボー
17 ジェットラグ / 困惑
18 渡辺源四郎商店 / 背中から四十分
19 オリガト・プラスティコ / 漂う電球
20 庭劇団ペニノ / アンダーグラウンド
21 Summerholic 06 -恐怖劇場-
22 tsumazuki no ishi / 無防備なスキン
23 零式 / 返事
24 ポツドール / 女のみち
25 双数姉妹 / トリアージ
26 水性音楽 / 透明の人
27 ヨーロッパ企画 / ブルーバーズ・ブリーダーズ
28 劇団木花 / ロミオとジュリエット
29 トリのマーク(通称) / -ギロンと探偵の冒険-ハリスさん新聞社
30 リボンの騎士 ザ・ミュージカル
31 毛皮族 / 脳みそぐちゃぐちゃ人間
32 超歌劇団 / ドガガガーンゴワーシュンボコーンプシューバゴーン(略して ドゴボプバ)
33 天然スパイラル / デストロイヤー花〜放電金魚とそこらの人々〜
34 パパタラフマラ / 僕の青空
35 ク・ナウカ / トリスタンとイゾルデ
36 経済とH / 北限の猿
37 チェルフィッチュ / 体と関係のない時間
38 クロムモリブデン / 猿の惑星は地球
39 イキウメ / PLAYeR[プレイヤー]
40 三条会レミング〜世界の涯てへ連れてって
41 「カルカル」プロデュース / うす皮一枚
42 (小指侍改め)こゆび侍 / 真夏の夜の蛇腹姫
43 つかこうへいゴールデンシアター / 蒲田行進曲〜城崎非情編
44 二騎の会(作:宮森さつき 演出:多田淳之介) / 直線
45 劇団上田 / 上田展3 新世界
46 リボルブ方式 / ブリキ「フラミンゴ
47 フランクサバゲリラ / 8月の冗談クラブ

7-9月も異常な観劇数、ここまで見る必要はなかった。それでも注目公演が重なり、見逃した公演も2本ほどある。10月から仕事も変わり、これまでのようには見ることはできないので、最後の本格ランキング(笑)。期待の劇団がハズし気味だった一方で、蜻蛉玉などは化けてきた。あひるなんちゃらは本物だった。しかし、この3ヶ月はゴキブリコンビナートに尽きる。短期間に新宿の廃校と、これまた中野の閉館映画館(光座)でと2本の公演。どちらも、とんでもない舞台で驚かされた。結局、怪我人とかは出たのだろうか。個人的には7月の野外公演が気持ちよく、あの逃げ回りながらの観劇が最高。作品の完成度という意味では、ケラと福島三郎の正反対コンビが見事な成果を生んだ「噂の男」、紀伊国屋ホールでも青木豪は輝き、次期岸田戯曲賞最有力候補に踊り出た。ただ、受賞作はグリング公演で取りたいので「虹」に期待。対抗馬は、10月の「遭難、」(本谷有希子)、期待すると痛い目に遭うこと多いが、とにかく楽しみ。五反田団の前田司郎は、「二人いる景色」で十分候補に値しそう。長塚圭史は「アジアの女」が勝負のはずだが、まだいい評判は聞いていない。完成度の低いものでも実験精神は買うのだが、それが裏目に出たのが、多田淳之介。5人で3役のアイデア、これはチェルフィッチュに「労苦の終わり」という圧倒的傑作があるので、何ら意義見出せず、完成度も惨憺たるもの。才能ある人だと思うので、自戒を要望したい。そのチェルフィッチュも京都で実験して、自爆。本来具象の名手に「抽象」というお題を出してしまった京都のセンスがよくないが(ポツドールなどリアルな舞台美術と対照的な素舞台を使うので従来路線で抽象といってもよさそうだが)、あの芸術センターは素晴らしい建物。元小学校の校舎らしいが、東京もああいう活用法を探るべき。表参道ヒルズなんかに喜んでいる場合ではない。